ぴろりん
わざわざダウンロードした甲斐があった着信音に逸早く反応する。
気に入ったものには気に入ったもの同士に、そう登録していて。
思わずにやけてしまう。
開くと、らしい挨拶と絵文字1つの短いメール。
少し時間をおいてから返事を出す。今気づいたんだな、と思わせれればいい。
すぐ返すのはなんだか恥ずかしいから。
駆け引きだって?
とんでもない、だってもうその必要ない。
それもついこの間の出来事。
きっかけは彼のサッカーの試合。
試合終了後に届いたメール。
向かい合う彼の口が動いた。
彼の言葉から新しく始まった関係。
風がわたしのワンピースを揺らした。