逃行少年

「ただいま」

ビニール袋に食料を詰め込んで、帰ってきた少年。

彼は、僕の瞳をじっと見据えた。
そうして、何かを察したらしい。僕も彼の顔には、見覚えがある。確か、隣のクラスの…。

「僕は、水戸だよ」

コンビニの袋を床に置いて、水戸はタイヤの上に腰掛ける。

「すっかり、よくなったんだね」

水戸は、ただ笑うだけだ。僕は聞きたいことが沢山あるのに、そういう話題は、わざと無視している。

「もう、帰っても、いいよ」