…やっぱ無いか……。



どうしよう。


困ったなぁ~…。



黒川真由はとりあえずベンチに座り、空を見上げた。



私の心はこんなにもどす黒いのに、空は相変わらず綺麗で…


ほんの少し、寂しかった。




「真由」



「へ…?青木…先輩!?」



後ろから突然声を掛けられたので、少し驚いた。


先輩は私の隣に座った。




「お前…こんな所で何してんだ?」



「あ、えっと…家の鍵無くしちゃって…」



「家の鍵!?」




青木翼はポケットから何かを取り出し、黒川真由の目の前につきだした。



「あっ!これ…」



「真由の?」




コクりと頷く。


すると、青木翼はニヤッと笑って……




「返してほしければ




俺にキスしてよ」