昨日、確かに鞄にしまったのに…。



帰ってから鞄から出してない…という事は、


学校にあるはずだ。




ヤバい……



財布がないと、家に帰れない。


財布には身分を証明する、学生証も入っているのに…。



学生証には思いっきり、個人情報が載っているから


誰かに見られるとかなりマズイ。




黒川真由は携帯電話を取り出し、電話帳から部活の先輩の名前を探し、通話ボタンを押した。




「あ、もしもし…黒川です。先輩?私、今日部活しないで帰るので……はい、では明日…」




ちなみに私は〝茶道部〟です。




黒川真由は携帯電話をポケットに戻し、思い当たる場所を隅々まで探す。



ない…ない…ない…





どこにもありません…。






黒川真由は、もしかしたら…と思い、昨日お昼に訪れた裏庭に向かった。