青木翼がそう言うと、黒川真由の頬は徐々に紅潮していった。


そして、眉をしかめて、俯いてしまった。





「真由は、俺が嫌い…?」





嫌いっ!?



ビックリして先輩を見上げた。


先輩は、どこか寂しそうな顔をしていた。



黒川真由は、何故青木翼がそんな表情をしているのか


皆目検討もつかなかった。





「初めて会ったような野郎にこんな事言われて、迷惑?」





ふるふると首を横に振る。





「傍に居たいんだ…。傍に居て、




お前の心の支えになれたら…って思う」





「先…輩っ」





温かい先輩の声に、涙腺が緩くなる。


こんなに私の事を考えてくれる人と出逢えて、



私は幸せ者ね。





黒川真由は、青木翼の言葉に答えるように




自ら青木翼の温かな胸に飛び込んだ。