君に、この声を。




さっきの智那の声よりも数倍大きい。


でも、その声が誰の声なのかはわからなかった。

きっと、俺が話したことのない人だ。




ここで、何も行動を起こさなかったらよかったんだ。


悪いと思いながらも、好奇心に負けていなかったらよかったんだ。




「西脇先生だって言ってた。『本当は合唱やめてほしい』って。それでも、城山さんは自分勝手に続けるの?」



ちょうど、3階についたとき、さっきから聞こえていた声が鮮明になった。



『合唱』という言葉が聞こえた瞬間、俺は合唱団がらみの話をしていると悟った。




智那と誰かの声が聞こえたほうへ、俺は方向を変えた。