――――そうだ。 私は、恨まれる人なんだ。 優しさに甘えちゃいけない。 私は、 生まれて来ちゃいけない子なんだから――。 「先輩、そういう優しさは他の人にしてあげてください。」 この人の優しさに甘えちゃいけない。 「私、もう行きますね。」 先輩の手を払いのけて立ち上がった。 「先輩とこんなとこに2人でいたら また噂になりますよ。」 せめて、私に少なからず優しさを向けてくれたこの人のために 真っ黒な私との噂を流してしまわないように。