それを聞いたクロアは、驚きと共に頭の中で考え―――…
『………そうだった』
昨日のリリスの授業の最後に、そう言われていたのを思い出した。
普通ならすげぇ嬉しくて、忘れるはずがないんだけど……。
最近は、一週間前に聞いたあの噂について考えてたからなぁ…。
腕の力を緩め、リリスの瞳を覗き込む。
リリスは視線をそらすことなく、真っ直ぐこちらを見返してきた。
その強い瞳に吸い込まれるように……桜色にほころぶ唇に口づけを落とした。
その感触は何よりも柔らかく、
……クロアがリリスの事を信じるには十分なくらい、甘かった。
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