……実際、王子なのに魔法を使えない自分が落ちこぼれである事は重々承知していた。


それが、王家の一員として重大な欠陥であるという事も。

……だが。


「あー、集中し過ぎて腹減った」


クロアは、魔法が使えない事に関して楽観的な姿勢を見せていた。


「……まぁそのうち、なんとかなるだろう」


一人呟くと、土で衣服が汚れるのにも構わずその場に寝転がる。


そしてそのまま、居眠りを始めるために目を閉じた。