「……………もういい」 「…く、クロア様?」 「もういい。下がれ、メルカ」 「……っ!!は、はい!!」 俺の雰囲気に呑まれたメルカが、慌てながら退出する。 その音を聞きながら、自然と記憶から呼び出されたのは―――… 先日の夜中に、自分の部屋に忍び込んでいた彼女の目。 何の感情もこもっていないような、 まさに[人形]のような、 そんな表情。