パタン、と扉を閉める。 それと同時に、 「……そういう物なのか」 納得したような小さな声と共に、リリスの足音が遠ざかっていく。 「…………はぁ」 それを聞いたメルカは一つため息をつくと、 部屋の中で足をさするクロアの方へ駆け戻った。 「足、大丈夫ですか?」 心配になって聞くと、 「ん?あぁ、大丈夫だよ。ちょっとキツかったけど」 クロアは朗らかに笑った。 その笑顔に安堵したメルカは、 つい、口を滑らせた。