過ごしやすい気候となった、初夏の昼下がり。 「……正解ですね」 柔らかな風に金色の髪を遊ばせながら、リリスは頷いた。 仏頂面ではあるものの、その翡翠色の瞳は普段より優しい。 明るい光に照らされたその姿は、まるで一枚の絵のよう。 だったが……… 「…リリス、まだなの?」 クロアは、不機嫌だった。