『……ただの阿呆か、それとも大物なのか』 別の意味で感心しつつ、リリスは無意識にその場へ座り込んでいた。 先程まで剣を握っていた手を差し延べ、クロアの頬へ触れる。 ……………温かい。 「……………」 そして、やっぱり起きない。 これだけ熟睡するのなら、やはり殺すのは簡単そうだ。 ……………と思ったところで、 リリスはやっと、自分している行動に気が付いた。