「……っほら、みんな!!今から、バルコニーに出て国民に手を振るんでしょう!? 早く行きますよっ」 その空気に耐えられなくなったリリスは、頬を赤く染めたまま仏頂面で立ち上がった。 それを聞いたクロアが、嬉しそうにリリスの元へ駆け寄り、 その小さな手を取った。 そして、 「…………愛してるよ、リリス」 悪戯っぽくそう言って、リリスの手の甲にキスを落とすと バルコニーに足を向けた。