人形の微笑




リリスは一瞬、コルトかと思ったが…明らかに、気配が違うことにすぐ気がついた。



「……………誰ですか」



この場所に連れて来たのはコルトだけ。そのコルトじゃないとするば――…誰だ?


警戒心を募らせたリリスが、何かあったら逃げられるように


臨戦態勢を取りながら振り向くと



そこには。



「……リリス、大丈夫!?」


黒い瞳と黒い髪に、

精悍な顔立ちをした……



ここにいるはずのない、人物。



「………クロア…?」



ルスカ国第三王子、


クロア・ディーネ
その人だった。