魔法の使えなかった息子と、息子が連れていきた【神】について、


一番疑っていた国王キールは。



「―――疑ってしまって、申し訳ありませんでした」



簡潔にそう言うと、自ら玉座から立ち上がり、ルカの前にひざまずいた。


その姿を見た他の人間達も、次々とルカにひざまずく。



「………う、あ、あの、」



思わず立ち上がってしまったクロアが狼狽していると、


【我が主よ、うろたえる必要なぞない。胸を張っておれ】


ルカがそっとたしなめた。


その言葉に落ち着きを取り戻したクロアが、背筋を伸ばすと同時、



【国民達よ、聞くが良い!!】



ルカの透き通った声が、謁見の間に響き渡る。