『最初っから、殺すつもりなんて無かったんだ……』 ◆◆◆ 駆け付けたクロアの目に飛び込んできたのは、 いつの間にか焦げ茶色に染まった髪を振り乱し、大地の上に倒れ伏す血まみれのリリスと、 「姉さんッ!!目を覚まして!!」 血まみれになる事も構わず、必死になってリリスを看病する―――コルトの姿だった。 コルトは涙と鼻水で顔中をぐしゃぐしゃにしながら、リリスを助けて欲しいと俺に懇願した。 「自分が言える事じゃないけど」と呟きながら、 額を地面にこすり付け、 何度も何度も。