「……………………」


目を閉じて、自分の唇を貪る王子を冷静に見つめながら、


『……一体、クロア様は何をしたいのだろうか?』


リリスは考える。


この、口づけという行為自体は、決して珍しくない。


というか、一日一回はこうして口づけをされる。だが。


『……何故、このような行動をするのだろう』