今まで、女など嫌というほど見てきたが……… 「リリス・エアリエルです。 数学を教えます。 どうぞ、よろしく」 春の光を受けて淡く光る金の髪も じっとこちらを見つめる緑の瞳も 全てが愛おしく感じたのは、リリスが始めてだった。 ………しかし。 リリスはいつでも無愛想で、一切笑わない。 『笑ったら、もっと可愛いのに』 『笑った顔が見てみたい』 『――笑わせたい』