――…始めて見たリリスの涙は、とても綺麗で。


「…ぁ………」


クロアは、リリスの口づけを受け入れながらも、その表情に魅入られていた。


「―――――クロア」


金の髪が揺れて、エメラルドグリーンの瞳が自分を強く見据えた時。


やっとクロアは自分を取り戻した。


そして気付く。


リリスが――…微笑んでいる事に。


普段が仏頂面なので、少し顔の筋肉が強張ってはいるが……それでも。


「クロア」


目尻を下げて、泣きながら自分の名前を呼ぶリリスは、とても愛しかった。