リリスは城壁の割れ目から外へと出ると、袖口から一つの小さな笛を取り出した。 それを口にくわえると、思いきり息を吹き込む。 ピィィィィー… 周囲に広がる、高く澄んだ音。 ……少し待つと、遠くから栗毛の馬が走ってきた。 「…………よし」 リリスは自分の愛馬を見ると一つ頷き、クロアの前に連れていく。