人形の微笑





突然手を握られたクロアは、


『……リリスが自分から俺に触れてくるのは珍しいな』


などと考えながら、自分より小さな手を握り返し。そして、



「…………怖いですか?」



何の前置きもないその唐突な問いに、心臓が跳ねた。


驚いてリリスを見ると、冷徹な光を宿した瞳に見返される。


「……私が、クロア様の変化に気付かないと思いますか」


少し、痩せたように思われますが。


いつも通りの淡々とした口調が、クロアの耳に届く。



――確かに、その通りだった。



自分は狙われていて、しかもいつ殺されるか分からない状態。


それは、いくら脳天気な俺でも楽観視できない事実。


でも……


「―――リリスっ」


俺は繋いでいた手を引くと、大人しく自分の腕の中に収まる華奢な体を抱きしめながら思う。


『でも……リリスだって痩せたじゃんか………!!』