リリスはそう念じ、目を閉じる。
そして、一つ息を吸うと―――
スッ、と高ぶっていた自分の感情が消えていくのを感じた。
自分がいつも通りになったのを確認して安堵すると、仏頂面で静かにまぶたを開き――…
「………いつまで赤くなっているつもりですか」
いつも通りの冷めた瞳で、クロアを真っすぐ見つめた。
クロアは一瞬、その変化に驚いて動きを止めたが……
「……うん、いつものリリスだ……な…」
なんだか残念そうだが、どうやら落ち着きを取り戻したようだ。
それを見届けてからリリスは半身を起こし、周囲を見渡した。
そして、そこで始めてこの場所が自分の部屋では無いことに気付く。

