「み、見ないでください……!!」
わななく桜色の唇は濡れていて、いつもより色っぽい。
それに、何より―――…
「リリスが、仏頂面じゃない!!」
こんなにも感情をあらわにしたリリスを見るのは始めてだった。
いや……怒りや呆れ、焦りなどという感情は表に出すのだが、こんなに戸惑ったような、
照れたような表情を見るのは始めてだった。
「………っく!!」
リリスは悔しそうに歯噛みすると、珍しそうにジロジロ眺めてくるクロアをギッと睨みつけた。
そして、混乱する頭で考える。
『……何故だ!?何故今さら、感情が出てくるッ!!』

