その素早さ。身のこなし。 『あぁ……あの噂通り…… リリスは暗殺者だったんだ……』 鋭利な刃物の感触を感じながら、クロアはそんな事を漠然と思った。 その瞳には恐れも、怯えも浮かんではいない。 いつも通りに真っ直ぐ、リリスを見つめ返す。 「……………っ」 その態度に、逆にリリスは戸惑っていた。 『この男……』 普通ならこの状況、泣いて怯えながら命乞いをする所なのに……。 クロアには、それが無い。