「どうしたの?翔くん」 「きょーのよるごはんなーに?」 「今日は翔くんの大好きなからあげだよ」 「よかったなぁ翔!」 父親と母親は、愛しそうに男の子を見下ろす。 「うんっ!」 三人の家族は楽しそうに会話をしながらあたしを通り過ぎる。 そんな幸せそうな家族を見つめあたしは目を瞑りあの頃の記憶を思い出す。