「…ちゃん……捺海ちゃん」 「…あ、は、はい!」 名前を呼ばれてることに気付き顔を上げると心配そうな表情をした春綺君の顔があった。 「ぼーっとしてたけど…大丈夫?」 「大丈夫だよ」 心配そうにする春綺君にあたしはそう言って微笑む。 「そう、無理しないでね」 「大丈夫だよ!」そう言ってテーブルの上にあった飲みかけのカシスオレンジを一気に飲んだ。 「きゃはは!もーお尚希ってばぁ~」 「ねぇねぇ尚希ぃ明日どっか連れてってよぉー」 奥の部屋から尚希の客らしき女達の大きな声が聞こえてきた。