「まじかよ俺、捺海ちゃん狙ってたけど相手が尚希なんじゃ勝ってこないし手引くわー」




「ねぇねぇ!いつからなおちゃんと付き合ってるの?なおちゃんのどこが好きなのー?」




れおんくんは、あたしの裾を掴み上目遣いであたしに質問攻めをする。




え、どこって…どこが好きもなにもあたしこいつのこと嫌いな所しかないんだけど…




「えーっと…」



なんて答えようか戸惑っているとタイミングよく甲斐くんが話に入ってきた。




「はい、そこまで。そんな話はここですることではありません。それにみなさん仕事に戻ってください。女性をほったらかしておくのは失礼です」




「はぁーい…」




れおんくんは残念そうな顔をして徹夜と一緒に席に戻って行った。




「…ねぇ尚希、早く座ろーよあたし疲れたぁ〜」



「あぁ、そうだな」




そんな最低男を見ていると春綺君は、あたしの手を取りニコッと笑い「じゃあ捺海ちゃんは俺といこうか」と言った。




「あっ、うん」




春綺君に手を引かれ元の席へ戻る為、最低男を通り過ぎると最低男といた女と目が一瞬だけ合った。




今あの女に睨まれたような…あたしの気のせい?