「うーん?なんかこの子、さっきからぜんぜん動いてないよおー」
「…いや!きっとこの店の顔のレベルが高すぎて驚いてんだよ」
思考停止していたあたしは我に返りずっと気がかりになっていたことを聞く。
「あのっ、ここって…」
「ここは女性に癒やしを与え寂しさを忘れさせてあげる…ホストクラブだよ」
やっぱりホストクラブだったんだ…ここ。
言われてみれば店の雰囲気、お酒の香り、騒がしい声、スーツを着ている派手な男達……どれも当てはまる。
「あの、その、あたしここに来たくて来たわけじゃなくてー」
そう言うと質問に答えてくれた男が優しい笑みを浮かべこっちに近づいてきた。

