こうやって誰かに抱きしめられて寝るのは凄く久しぶりだ。人の温かい体温を感じる。
まるであの頃に少しだけ戻ったみたい。あの頃はよくママに抱きしめられて眠っていた。
「…ママっ…会いたい……」
あたしは声を押し殺しながら目に涙を溜める。
どんなに泣いたってどんなにあの頃に戻りたいって……そう強く願っても戻ることはできない
もう17歳になったんだからあたしは大人にならないといけない。
けど…そう思っていてもやっぱり心は素直で寂しさ、孤独、辛い記憶は何をしても消えてはくれない。
「なんで泣いてんだよ」
寝ているはずの最低男の声が聞こえ顔を上げると目が合いあたしは直ぐに布団を頭まで被った
「おい」
最悪!最悪!最悪!なんでこのタイミンで起きるの!?

