どこかで嗅いだことのある匂い。
次の瞬間……頭の中で、あの時の
出来事を思い出した。
最低男と初めて会った日にアイツと
エレベーターに乗った時のことが
蘇った。
顔は見えないけど最低男の
引き締まった腕で力強く抱き
締められている。
当然過ぎて、ただ呆然と立っている。
すると、隣から焦っているような感情と
怒っているような感情が混ざった
声が聞こえた。
(ちよっ…!?何してんの!?尚希!!)
(テメェ!!捺海を離せよ…!!)
グイッ……!!
あたしの背後にいた遊が、いきなり
あたしの腕を引っ張って来た。
ちょっと……あたしは物じゃないし!!
あたしを、2人は物のように
扱った。

