それにしても……



今日は仕事ないの?






いつも、仕事がある時は家に帰って来るのは
遅い。




なのに今日は、もの
凄く早い。






「ねぇ、今日って仕事
あるの??」






テレビを見ながら聞くと後ろから最低男の声が
聞こえた。







「今日は、休み。」





「フ~ン………」




「何??もしかして
気になるとか??」







「ハッ……??」







何でアンタは、いつも……




そっちに行っちゃう訳??




「俺様のことが、
そんなに気になるか??」







最低男は、口元を
釣り上げて、あたしを
見た。






何言ってんの………





この……



自意識過剰男っっ!!!!





「そんな訳ないじゃん!!」






「あ゛??

じゃあ、何でー……



あの時……


俺を名前で呼んだ??」






最低男の言葉で、
この前のことを思い
出してしまった。







「あっ、アレは……


アンタが呼べって
言うから……」






俯いていると、いつの
間にか最低男は、
ソファーの近くにいた。





驚いて顔を上げると
直ぐ近くに最低男の
整った顔があった。







「……………!!」






ガシッ……






最低男は、あたしの腕を掴んで見下ろした。






ヤバい……




隙を見せたから
逃げられない……






「フーン……じゃあ……

何で俺が抱きしめた時、俺を抱き締め返した??」








最低男の言葉に動揺する。





どうしよう……




コレばかりは……




何も言えない……






ドサッ……





そう思っていると
最低男は、あたしを押し倒した。