「ううん、もう直ぐそこだから大丈夫だよ。ありがとう。なんか、あたし春綺君に助けてもらってばっかりだね」
「そんなことないよ。俺が好きでやってるんだから気にしないで」
苦笑いするあたしにそう言って優しく微笑む春綺君。
「それに俺は捺海ちゃんに今日会えてとって嬉しかったよ」
「え?」
10秒くらいの沈黙に気まずくなりあたしは、どうにかこの雰囲気を壊さないといけないと思い話を逸らす。
「あ、今日はほんとにありがとう。今度またお礼させて」
あたしは何事もなかったかのように平然と振る舞い春綺君から荷物をとる。

