そんなことを思っていると最低男の瞼がゆっくりと開く。
「…ん、俺…寝てたのか?」
「うん、ぐっすり」
「そうか」と言ってあくびをする尚希に「ねぇ、もしかしてあたしが帰って来るの待ってたの?」
あたしがそう聞くと最低男の動きがぴくりと止まる。
「あ?んなわけねぇーだろ。なに自惚れたこと言ってんだよ」
ああそうですよね!あんたがあたしの帰りを待ってるなんてこと一生ないでしょうね!!
「で?」
「え、何。でって……」
「春綺とのデートは?」
「まぁ普通に楽しかったよ。水族館にも行ったんだ」
「水族館なんて行ってどうすんだよ、泳いでる魚なんか見て楽しいか?俺だったらぜってぇー無理」

