び、びっくりしたー…あともう少し前に行ってたらキスしてるところだった。
驚いたせいで早く動く動動を抑えあたしは、春綺君の横顔をそっと見る。
春綺君、やっぱり手出したりしてこない。今までの男なら大体の奴は手出して来たりするしさっき顔が近かったときもキスだって出来た。
こんな男初めてだ。このあたしに手を出してこないなんて。
「ん?どうしたの?」
春綺君は、あたしの視線に気付いて首を傾げる。
…最低男なら二人きりになった途端、絶対手出してきてそうだけど。
「ううん、なんでもない」
「そう?あ、レストランの予約の時間まであと少しだからそろそろ行こうか」
「もうそんな時間なんだ。名残おいしけど行こうか」

