春綺君とそんな会話をしていると女の店員は「ごゆっくりどうぞ」と言って出て行って春綺君と二人きりになった。
「あ、ソファーがあるよ。あそこに座ろう」
「うん。本当、すごく綺麗だね。予約が取りづらい訳だよ」
そう言いながら見上げていると春綺君はあたしの手をギュッと握り「俺も初めて見たけど想像してたより凄く綺麗だ」と言った。
あ、やばい。あまりにも感動して忘れてたけどよく考えたらここ…あたしと春綺君だけだ。て言うかなんか凄くいい雰囲気になってない!?
春綺君のことだからさすがに襲ったりはしないだろうけど…
「捺海ちゃんとこんな綺麗な景色を一緒に見れるなんて幸せだな」
「は、ハハッ。幸せなんてそんなおおげさなー…っ?!」
顔を春綺君の方に向けると目の前には、春綺君の顔が間近にあってお互い固まってしまう。
「……ご、ごめん!」
あたしは、ハッとして直ぐ身体を引いて春綺君から離れる。
「ううん、こっちこそごめんね。驚かせちゃって」

