「嬉しいなぁ、この曲好きって人なかなかいないから」
「俺も嬉しいよ。特に最後の所とかー……」
春綺君とあたしはこの曲の話がきっかけでさっきよりも会話が弾み気まずい空気も嘘みたいに居心地のいい雰囲気になった。
春綺君と色々な話をしている内に車は駐車場に止まった。
車から降りると海の潮の香りが漂う。
近くに海でもあるのかな?
そう思いながら辺りを見渡していると春綺君は、あたしの手をとり建物の中へと入っていく。
「春綺君、ここって…」
「まだ内緒。ほら、早く来て」
春綺くんがどこへ連れて行くのかも気になるけど…周りにいる女達が凄いチラチラ見てきたり騒いでてそっちのほうが気になる。
「見て見て!あの人、超かっこよくない?」
「背高っ!あの人、モデルかなにか?」
すると、春綺君は会話をしていた女達の方を見て微笑んだ。

