顔を俯いていると雨音に混じって足音が少しずつ聞こえてきた。するとその足音はピタリと止まり誰かがすぐ側にいる気配を感じ顔を上げるとそこには… 長身の男が傘を差して立っていた。けれど傘で顔が隠れていて顔は見えない。 「あんた…こんな所で何してんだ?」 「見れば分かるでしょ?雨宿りです」 「ふーん…」 なにこいつ。この男、何か気に入らない。 「あたしに何の用ですか?ナンパならお断りですけど」 あたしはそう言って男を睨みつける。