「……がいい」とモゴモゴと小さい声で言う最低男。




「え?」



小声で何を言ってるのか分からずもう一度聞き直すとー……




「だからあれが食べたい。卵が入ったお粥」




卵の入った…お粥?




一瞬何のことかよく分からなかったけど理解したあたしは、ポンっと手を叩く。




あの最低男が自分からあたしにお願いするなんて今までなかったからなんかちょっと嬉しいな。




「…分かった。確か材料はまだあったはずだからちょっと待ってて」




あたしは立ち上がってエプロンを着てキッチンに戻った。




「…よしっ、作るか」




それにしても…あいつがそういうの好きなんて意外だ。




「ひゃああ!!」




いきなり誰かに後ろから強く抱き締められた。