「みーつけた」
パパは楽しそうな笑みを浮かべて大きな手をあたしの顔へ伸ばしてきた。
「やっ、やめて!この子は何もしてない…お願いこの子だけには手を出さないで…!!」
「チッ…しつけえなさっきから。最近、俺を見るこのクソ餓鬼の目が気に食わねぇーんだよっ!」
「っ、ゲホゲホ…!」
パパはそう言ってあたしのお腹を思いっ切り蹴り飛ばした。
「捺海!」
あたしを助けようとママはパパの腕にしがみ付くがパパはママを振りほどく。
「うっ…!!」
振りほどされたママは壁に頭をぶつけ意識を失い起き上がらない。
幼かったあたしは何も出来なくて…ただ震えて泣きわめいて力も当然敵うわけもなく見てることしか出来ない。ママを助けたくても助けることもできなかった。

