「どうしたの?尚希」 女はそう言って心配そうに俺を見つめる。 「なんでもない」 俺はベッドから降りてシャワーを浴びに行く。 シャワーを浴びていると目の前にある鏡に身につけていたネックレスが光る。 俺はその十字架のネックレスを強く握り締めた これを見るたびに俺は、あの頃の記憶を鮮明に思い出す。 “なんでホスト始めたの?” 客によく聞かれるこの言葉。 なんで俺がホストを始めたのか。 それはー………… あいつを見返すためだから。