「あの、初めまして。」
「あ?あぁ。」


なにこの素っ気ない態度…!!


「風真って呼んでいいかなぁ?」
「別に。つかあんた。見た目女子なのに、中身男子なのなw」


そう言って鼻で笑う風真。


「はぁ?!」
「お、瀬菜どうした?」
「風真が…!!ふがが…」
「お前、いちいちチクんなよw」


後ろから風真に口をふさがれていた。


「瀬菜ぁ!!」
「琉菜!!どったの?」
「…友達が出来ないの…。」
「は?」


友達作るの得意な琉菜が…?

そんなのありえないでしょ。


「頑張ればできるって!!」
「私…瀬菜がいないと無理だよ…」
「大丈夫だって!!」
「…でも」


いつまでもウジウジする琉菜にイライラがピークに…


「いい加減にしてよ!!!しっかりしてよ!!!ずっと私がついてるわけじゃないんだから!!」


私はそういったあと、屋上へと駆け出した。


後ろから聞こえた声が…あまりにも辛くて…。


「…なにあれ。可哀相。」
「…つか全然女子じゃないし。」

“全然女子じゃないし”


傷ついた。

そんなの自分が1番分かってるよ…。
でも仕方ないじゃない…。


屋上には先客がいた。


「…風真。」
「あ?あぁ、あんたか。なに?」
「あんたじゃない、瀬菜!!ちょっと、琉菜に言い過ぎちゃって…」
「琉菜…?」


風真は顔をしかめた。


「あ、私の双子の姉ね。」
「ふーん。」
「…風真は自由だよね。私は比べられるから自由なんてないよ。」
「そう思うからじゃね?つか気にしなけりゃいいじゃん。」


風真はそういうけど…。

そんなに簡単なことじゃないんだよ。


「…教室戻るぞ。」
「え、でも…」
「でもだけじゃ変わんねーだろ。」


風真は私の手を引いて、教室まで行った。


「あ、来たよ。つかさ、琉菜ちゃんのが断然女子じゃんね。」
「亜美。」
「なに?」
「ちょっと琉菜ってやつ連れて来て。」


風真何するつもり…?