「瀬菜!!」
「あ、琉菜。」

私、山下瀬菜(やました せな)。
双子の妹。
性格は、おおざっぱで男勝り。女子という言葉が似合わない。

でも…人一倍「女子」を目指してる。


この子、山下琉菜(やました るな)。
双子の姉。
性格は、女の子らしくて少し騒がしくても女子を感じさせる。

実は私に憧れてたりするらしい。


「琉菜、どったの?」
「ママが瀬菜に話があるからだって。」


ママはなぜか私を異様に可愛がる。
パパは琉菜なんだけどね?


「ママ〜。何?」
「瀬菜。あんた今日から琉菜と松木学園に行きなさい?」
「松木学園?」


松木学園とは、この市内で1番の大きさを誇り、お金持ち学校で知られる。


でもなんで、私たちが…?
そんな学校とは無縁なはずなのに。


「おじいちゃんがね、宝くじを当てたのよ。」
「で?」
「使うなら、瀬菜と琉菜のために使いたいって言うから。」


こんな使い方はありなんですか?


「制服は…?」
「部屋に置いてるわ。朝は車で送るから。琉菜にも言っておいて。」
「はぁい」


私は部屋に戻る前に顔を洗い、朝ごはんを食べた。


あ、案外制服可愛いじゃん。
うんうん。


私は新しい制服に身を包んだ。

頑張って受験して、琉菜から離れようとした松岡学園。

行きたかったけど、おじいちゃんの望なら仕方ないね…。


「…ママ。準備できたよ。」
「私も!!」


隣で琉菜がキャーキャー騒いでいる。


「うるさいなぁ、琉菜。なんでそんなに嬉しそうなの?」
「琉菜、瀬菜と離れなくて済んだから!!」


どういう事かわからないけど、まぁいっか。

ちなみに私たちは13歳。
中学生なの。

中学受験したんだけどね。


さぁ気を取り直して頑張りますか!!