少しの沈黙があった。




「……俺のせいじゃないからな!」



あ、逃げた。




明らかに震えている足で、主犯の男は逃げた。



次々と「俺も…」と逃げていく。




ったく…無責任なヤツ。



俺は女と目の高さを合わせて話しかけた。



「大丈夫か?…って大丈夫なわけないか」



女は俺と目を合わせようとしない。



「…しゃーねーな」



女をおぶってフェンスを登った。



「…なにするつもり?」



「なにって…病院いくだけ」