【輝汰side】



優衣との再会から1週間が経った今日、電話があった。



電話の主は優衣。




結局あのあと、俺が送っていくのを拒否して兄に迎えにきてもらうと言っていた。



そういえば、優衣に兄貴がいるなんて今まで一度も聞いたことがない。



思い返してみれば、俺は優衣のことを何一つ知ろうとしたことがなかった。



優衣の家のことも、優衣の血液型も、誕生日も。



すべて知らない。



だからこそ、これから過ごす優衣との時間を大切にしたいと思ったのだ。



そんな俺にかかってきた優衣からの電話は二人のこれからをすべて、断たれるような内容だった。