「ねえねえ、昨日聞いたんだけどねー。」
「うん?」
「二宮って彩華の事好きらしいよ。」
高校2年。
寒い寒い12月。
高校生活での冬は2回目。
席替えで隣になったのは二宮くんでした。
二宮くんとは話したことも目を合わせた事もない。
隣の席で一ヶ月・・・やってけるかな?
「・・・何?」
そんなことを思っていたら私、二宮くんをガン見してたらしい。
「はっ!!いえっ!!」
最悪最悪最悪!!!
急いで前を向いた時に振動でシャーペンが落ちた。
ああ、もう本当私のバカ!!
こんな時に落とさないでよお恥ずかしい!!
かがんだ瞬間。
「・・・ん。」
「へ?」
二宮くんの手の中には私の落としたシャーペン。
「あう!ご、ごめんさい!!」
うう、よりによって初めての会話がこれだなんて恥ずかしいよお。
絶対印象悪いよこんなの・・・。