学校の帰り道
犬が居た。
ウロウロしたり、色々な人を見て 餌をもらっている。

犬と言うものを間近で見たことがなかった
まっすぐに伸びた黒髪の彼女。

恐る恐る
近づいてみた。

そんな様子をチラッと犬は見た

ジリジリと伝わる恐怖

彼女はとても怖がっていた。

じっとしていると彼女は指で犬を触ろうとした

ツン


犬はジッと彼女を見た。

ツン


彼女は汗だくになりながらも近づけた、そんな自分の姿に満足し、帰ろうと背中を向けた。

「おぃ。暇なのか?」

彼女は恐る恐る振り返った。




犬が喋った

「あんた…喋れるの?」

あぁ、と犬が言った。
あまりの衝撃と夏の暑さで目が廻りそうだった。

「この道に落とし物をした。小さい白い箱なんだが、知らないか?」

彼女は頭の中で理解することでいっぱい。
「し、し、知らない。そ、それは何が入ってるの?」
「それは言えんな。」
なら聞くなという態度で帰ることにした。
「一つだけ言っておく。最後の記憶は無駄になるが、生きるということは、案外良いものだ。」
何を察したのかそんな事を犬が言い出した。
犬は地震が来るのもわかる生き物だから、きっとすごい能力があるのかもしれない。なんてぶつぶつほざいていたら
後ろから人間の声がした。
「ポチ。何してるんだ?」
犬は一声、吠えた。
振り向くと彼が居た。

「貴方の犬?」
そうだよ、と無表情に投げ掛けた。
「貴方の犬は、なんてーの、変わっているのね。」

「ただの何も考えてない犬だよ。何かあった?」
犬はもう話さなくなっていた。
「べ、別に。さよならっ」
帰り道をいつもの倍の速さで歩いて帰った。

早歩きをしていた彼女の目に白い箱が目に入った。
これは、
もしかすると。

箱を手にとると少し重みがあって手のひらに乗る大きさだった。

気になって開いてみることにした

そこに入っていたのは、