木之下くんは
汚くて
太ってて
皆にいじめられてた。

必死に生きていたと思う

ブタのように。

でもいじめてたのはほんの一部で

そのグループには

リーダーが居て、その人に主導権があるのだそう。

ある日いつものように登校した木之下くんが

いつものようにいじめられていた。

でもその日は違った。

机の中には一通の手紙が置かれていた。

その手紙を読んだ木之下くんは真っ青な顔をして、泣きそうに震えた。

彼女はその様子を見ているだけだった。

彼は友達と他愛もない話で盛り上がっていた。

木之下くんは教室から出ていった。

飽きた私は屋上で死体にでもなろうかと席を立った。
彼は木之下くんを見るなり、席を立ち彼女の後を追った形になった。

彼女と彼が居る屋上は立ち入り禁止の屋上で、向かい側の屋上は使用可であった。

彼女は寝転がるなり
生きるのが苦しい、とぼやいた。
彼は気にもせず向かい側の屋上を見ながら足をブラつかせ、座った。

その頃木之下くんは向かい側の屋上に居た。
手紙をビリビリに破りながら泣いていた。
飽和状態になった木之下くんが
こちらを向いた

彼はにっこり笑いながら手を降った。

木之下くんは逃げようとした



木之下くんの近くでタイマーが鳴る

それにびびって木之下くんは慌てて
落ちてしまった。

木之下くんの最後の記憶は僕だね。

落ちた音がすると彼女は起きて横に座った。

「あの人の最後の記憶を教えて?」
彼女が言った

「僕、かな?だってあの人は僕を見て笑った。だから僕だよ。」
笑ったのは彼だけだった。
「あなたが最後の記憶?」
見つめ合ってうなずく彼を見ながら、ボソリとお気の毒に、と言った。

そんな声さえ届かないくらい僕は興奮していた。