ドーンとすごい音が学校内に響いた

音の原因はなんとなくわかっていた

向かい側の校舎から誰か飛び降りたらしい

彼女は起き上がって彼の横に座った。

「あの人の最後の記憶を教えて?」
彼女が言った

「僕、かな?だってあの人はぼくを見て笑った。だから僕だよ。」
彼が言った

「あなたが最後の記憶?」
見つめ合ってうなずく彼を見ながら、ボソリとお気の毒に、と言った。

「僕たち似ている気がするよ。」
彼は無表情で言った。

「そうね。似ていると私も思ってた。」

彼女の真っ黒で腰まで伸びた真っ直ぐの髪が風で踊った 彼に威嚇をするように髪は靡いた

下を見ると血が広がっていた
足も手も人間とは思えない形をしていた。きっと関節がバカになったのだろう。
木之下くんの周りには、先生や生徒が群がってきた。
まるで蝿のように。

「人間を信じる?」彼女は下を見て言った。

「信じるわけがない。あんな騙し合いの関係。」

やはり似ているわ、そう呟いて彼女はまた寝転がって空を見始めた。

彼は木之下くんをじっと見ていた。
目に焼き付けるように、ただひたすらと。