毎日テレビを見る。


そんな生活だった。


学校に行っても楽しくない
親は勉強しろと、日々口うるさくなってきたけれど
何のために勉強するのか分からなかった。


少し興味の沸いたバスケットボールさえ、母親が休みの日まで拘束されるのが嫌だと、やらせてもらえなかった。



でも勉強はしろと言う。

それが貴方の今の仕事なんだから――。



塾に行っても長続きしない


だって勉強する意味がわからないから。



怒鳴られたって何されたってやる気なんておこらない


楽しくない―――




唯一の友達はテレビだけになっていた。



テレビの中は、私の望んでいるものがある。

そう信じていた。



「私もテレビの中に入りたい。」


本気でそう思うようになった。


もちろんそんな私の声が、親に伝わった時には、父親の呆れ顔と母親の発狂するような声に呑まれる事になるんだけど……



私は諦められなかった。


反抗ばかりしているけど、此だけは譲れない。


そんな強い気持ちで、何がなんでもテレビに出てやるって思ってた。



オーディションの紙を父親に見せると



「お前なんかになれるはずなんかない。芸能人になりたいやつなんて数千数万といるのに―ばかばかしい」


偉そうな半笑いの顔を見て
初めて人に殺意を覚えた。



私はまだ小学生。

結局一人じゃ何もできない


早く大人になりたい――



毎日そう思っていた。



大人になれば、私は自由になれる。



誰にも頼らず生きていきたい。



こんな大人になりたくない